リラクゼーションの市場規模については、矢野経済研究所などの民間の調査機関が調査をしており、そこから確認することができます。
残念ながら2021年のリラクゼーションの市場規模の正確な情報は、出ていませんでした。2021年12月26日の情報です。
ちなみに2016年から2020年の市場規模の調査内容は、「2022年版リラクゼーション・温浴ビジネスの実態と展望」というレポートで販売されています。
リラクゼーションの市場規模はまだ発表されていませんでしたが、把握する為の参考として、実態調査の結果内容について解説していきたいと思います。
ホットペッパービューティーアカデミーが発表している「美容センサス」を参考に、2019年から2021年の動向を、4つのポイントで解説してきます。
リラクゼーションの市場規模2022年は?
矢野経済研究所による、リラクゼーションの2021年の市場規模はまだ発表されていません。
市場規模とは、市場における年間の総売上です。矢野経済研究所により提供されている市場規模のレポートは、詳細な情報が記載されています。
市場規模を算出する方法として、顧客数と顧客1人当たりの平均単価(または、商品数と1商品当たりの平均単価)で求めることができます。
美容センサスによる2021年上半期の実態調査では、4つのポイントを知ることができます。
- 利用率と利用金額
- 店舗商品購入率と購入金額
- 予約方法
- サロンの利用目的
この4つのポイントに分けて、リラクゼーションの実態調査の結果内容を解説していきたいと思います。
ちなみに、リラクゼーションの実態調査の統計は、「着衣の施術」か「脱衣の施術」かで分けられ、一人当たりの金額などが分析されるようになっています。
2021年の実態調査のは、2021年2月に過去1年のリラクゼーションの利用についてリサーチし、2021年6月に発表されたものになります。
利用率と利用金額について
2021年は着衣の施術の1回あたりの利用金額が、男女ともに前年から増加しています。
男女のサロン利用率と、年間の利用回数は「着衣の施術」「脱衣の施術」どちらも前年から減っています。
利用金額については以下のようになっています。
着衣 | 前年比 | 脱衣 | 前年比 | |
女性 | 4729円 | +383円 | 6331円 | -187円 |
男性 | 4340円 | +258円 | 6062円 | +38円 |
「着衣の施術」の1回あたりの利用金額は、男女ともに前年から増えており、女性は4729円男性は4340円でした。
ここから読み取れることは、リラクゼーションのサロンに行く回数や、利用する人は減っているということです。
ですが、服を着たまま行う施術に関しては、1回で利用する金額が増えています。
いつもと違う特別感を味わえるような、スペシャルメニューを設定してみるのも良いのではないでしょうか。
利用率が増えた部門は、リフレクソロジー(足裏や足ツボ)や、ヘッドスパで、男女ともに増加しています。
気軽に行けるリラクゼーションが増加している印象です。
店舗商品購入率と購入金額について
店舗商品の購入率は着衣の施術と脱衣の施術、どちらも女性より男性の方が多い結果となっています。
サロンで販売している商品の購入率は「着衣の施術」が女性8.9%、男性11.6%と男性の方が高くなっています。
「脱衣の施術」の場合も女性11.6%、男性15.9%と男性の方が高いです。
女性の「着衣の施術」における店舗商品の購入率は、8.9%と前年から増えており、過去3年で最も高くなっています。
男女別の商品のランキングも出ており、以下のようになっています。
女性 | 男性 | |
1位 | アロマオイル | アロマオイル |
2位 | マッサージ、トリートメントオイル | マッサージ、トリートメントオイル |
3位 | ハーブティーなどの飲料 | ルームフレグランス |
4位 | ルームフレグランス | スキンケア、ボディケア |
5位 | スキンケア、ボディケア | 入浴剤、バスソルト |
商品として人気なのは、香りでリラックスできるような物のようです。家にいる時間が増えたことも要因の一つと考えられますね。
購入金額については以下の通りとなっています。
着衣 | 前年比 | 脱衣 | 前年比 | |
女性 | 9368円 | -1044円 | 13280円 | -3235円 |
男性 | 10609円 | +1756円 | 14095円 | +4166円 |
購入金額で見ると、女性は前年より減少していますが、男性は大幅に増加しています。
予約方法について
予約に関しては、施術形態を問わずネット予約が前年より増加しています。
着衣の施術において、ネット予約は女性が57.6%、男性が45.2%となっており、予約方法の中で共に1位です。
脱衣の施術においても、ネット予約に関しては女性67.8%、男性が55.6%と同じく予約方法の中では1位です。
「パソコンやスマートフォンから気軽に予約できるシステムがある」ということが重要になってくるようです。
これからお店を立ち上げる方は、ぜひ取り入れてみてはどうでしょうか。
サロンの利用目的について
2021年もコロナ禍の状況は続き、サロンの価値を感じる人が多かったようです。
- 自分にはできない技術がある
- 疲れが取れる、リフレッシュできる
- 自分へのご褒美になる
- プロのアドバイスが受けられる
自粛が続くことで心身の疲労に対して癒しを求めたり、会話が減ることで人との関わりを求めたりと、コロナ禍での影響はリラクゼーション業界にも出ているようです。
リラクゼーションの市場規模2020年はレポート販売中
2020年のリラクゼーション市場規模については、販売されている矢野経済研究所のレポートにより詳細を知ることができます。
矢野経済研究所によるレポートでわかる、リラクゼーション市場規模の情報は以下のようになっています。
- リラクゼーション市場規模、リラクゼーション市場シェア調査
- リラクゼーションチェーン店舗数ランキング調査
- 大手企業の実態調査(約10社)
- 全国のリラクゼーションサロンの実態のアンケート調査と分析(約100サロン)
- リラクゼーションビジネスの市場規模予測
美容センサスによる実態調査によると、20代女性の利用率の増加と、男女ともにネット予約が4年連続増加していることがわかります。
この実態調査内容は、2020年2月に過去1年のリラクゼーションの利用についてリサーチし、2020年6月に発表されたものになります。
では、2020年のリラクゼーション業界での実態調査結果を詳しく見ていきましょう。
利用率と利用金額について
着衣の施術、脱衣の施術どちらも20代女性の利用率が高くなっています。
着衣の施術の利用率は、男女共に全体で前年とあまり変わりがありませんでした。
年代で見ると、男性は10代が過去5年間で一番利用率が高く、女性は20代が前年より増加し、過去5年間で一番高い結果となりました。
脱衣の施術の利用率においても、20代女性が前年を上回り、過去5年間で最も高くなっています。
利用金額は、20代女性が2年連続で増加しています。
女性の1回あたりの利用金額は、4346円と前年から増加、男性は4082円と前年から減少しています。詳しくは以下の通りです。
着衣 | 前年比 | 脱衣 | 前年比 | |
女性 | 4346円 | -26円 | 6518円 | -56円 |
男性 | 4082円 | -331円 | 6024円 | +5円 |
金額で見ると、着衣の施術は20代女性が2年連続で増加しており、過去5年で最も高くなっています。
脱衣の施術に関しても20代女性が3年連続で増加、過去5年間で最も高い結果です。
利用率に続き金額でも20代女性が前年から増加していることから、関心の高さが見えます。
店舗商品購入率と購入金額について
店舗での商品購入率は前年に続き、男性が女性を上回っている結果となりました。
男性の過去1年の商品購入率は、前年に続き女性を上回っています。
ですが、女性も前年から減少することなく増えています。購入商品のランキングが出ており、以下の通りとなっています。
女性 | 男性 | |
1位 | アロマオイル | アロマオイル |
2位 | ルームフレグランス | スキンケア、ボディケア |
3位 | マッサージ、トリートメントオイル | マッサージ、トリートメントオイル |
4位 | スキンケア、ボディケア | ルームフレグランス |
5位 | ハーブティーなどの飲料 | ハーブティーなどの飲料 |
男女問わずアロマオイルが上位になっています。女性2位の、ルームフレグランスは前年から順位も購入率も大きく上昇しています。
2021年と同じく、家でも香りを楽しめるようなアイテムを購入される方が多いようですね。購入金額については、このような結果になっています。
着衣 | 前年比 | 脱衣 | 前年比 | |
女性 | 10412円 | +2601円 | 16515円 | +6736円 |
男性 | 8853円 | -1914円 | 9929円 | -6009円 |
女性は大幅に増加していますが、男性は特に脱衣の施術が大きく減少していますね。
予約方法について
ネット予約に関しては、男女ともに4年連続で増加、20代女性は約7割がネット予約によるものです。
女性全体でもネット予約は、着衣の施術で51.5%、脱衣の施術で63.9%と半数以上がネット予約です。
男性は着衣の施術で44.6%、脱衣の施術で51.0%と同じく半数近くがネット予約となっています。ですが、前年よりは減少しています。
サロンの利用目的について
2020年は、利用目的も調査されていましたので紹介します。
男女ともに最も利用が多かった施術は、整体や骨盤矯正などでした。次にボディケアや揉みほぐしになります。
男女共通して、利用の目的は「疲れを取りたいから」が1位、「リフレッシュしたいから」が2位となっています。
リラクゼーションの市場規模2019年は約1220億円!?
矢野経済研究所が2020年1月27日付けで発表している将来展望では、約1220億円の市場規模が予測されていました。
2019年のリラクゼーション市場規模の詳細は、矢野経済研究所のレポートで確認することができ、一部の内容は無料で確認することができます。
今後のリラクゼーション市場は、価格を抑えたサービスを提供するサロン経営の企業が、積極的に出店することが予測されています。
それにより一定の成長は維持できますが、伸び率に関しては上昇せずに動きが鈍くなる見込みとなっています。
2014年の市場規模は約106億円でしたが、2014年から前年を上回り続けています。
2019年の国内リラクゼーション市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比102.0%の1220億円になると予測されています。
美容センサスによる、2019年のリラクゼーションの実態調査では、着衣の施術も脱衣の施術も、利用率は前年とあまり変わりがなかったようです。
こちらのリラクゼーション市場規模の実態調査内容は、2019年2月に過去1年の利用をリサーチし、2019年6月に発表したものになります。
では、2019年のリラクゼーション利用の実態調査を詳しく見ていきましょう!
利用率と利用金額について
男女ともに全体の利用率は、着衣の施術と脱衣の施術、どちらも前年からあまり変わりませんでした。
年間の利用回数は女性で増加、男性は少し増加という結果です。
利用金額に関しては、男女ともに前年から増加しています。詳しくは以下の通りです。
着衣 | 前年比 | 脱衣 | 前年比 | |
女性 | 4372円 | +312円 | 6574円 | +651円 |
男性 | 4413円 | +258円 | 6019円 | -32円 |
着衣の施術においての、女性の1回あたりの利用金額は4372円、男性は4413円と増えています。特に、10代女性と20代女性が大きく増えていました。
脱衣の施術の場合は、女性で6574円で前年より増加しています。男性は6019円と前年と変わらずとなっています。
店舗商品購入率と購入金額について
過去1年の店舗商品購入率は、女性全体で6.6%男性全体で11.7%でした。
2019年の購入商品のランキングは出ていませんでした。
ですが、購入した理由としては「スタッフから紹介された」や「施術中に使ってもらった」などがあります。
商品を開発する際には、施術中に使用できてお勧めしやすい商品というのがポイントですね。
購入金額は以下の通りとなっております。
着衣 | 前年比 | 脱衣 | 前年比 | |
女性 | 7811円 | なし | 9779円 | なし |
男性 | 10767円 | なし | 15938円 | なし |
2019年より調査が始まった項目になりますので、前年からの比較がありませんでした。平均単価の参考に確認しましょう。
予約方法について
サロンの予約方法は、男女ともにネット予約が増加しています。2019年の調査では、男性の予約方法においてネット予約が電話予約を上回る結果となっています。
ネット予約は、女性で47.5%男性で42.7%と半数は切っていますが、徐々に増加してます。
2021年から遡って見ると、年々ネット予約の割合が増えています。
施術のメニューや価格などが、ネットでもわかりやすいと予約しやすいのではないかと思います。
サロンの利用目的について
男女ともに前年に比べて大きく減少しているメニューがそれぞれあります。
女性の場合は「整体、カイロプラクティック」です。その次に「アロマオイル」となっています。
男性の場合は、「ストレッチ」と「足裏、リフレクソロジー」が前年から減少してます。
上記の他にも、全体的に前年より減少しているメニューが多いので、リラクゼーションへの関心が少し薄れた年だったのかもしれません。
まとめ
- リラクゼーションの市場規模は矢野経済研究所などが調査し発表している
- 市場規模の算出は、顧客数と顧客1人あたりの平均単価で求めることができる
- 2021年12月26日現在、2021年の市場規模に関する正確なレポートはまだ出ていない
- 2020年の市場規模に関するレポートは矢野経済研究所で販売中である
- 2019年の市場規模に関する調査結果も販売中だが、一部確認することができる
- 矢野経済研究所の2020年1月27日付のレポートでは、2019年の市場規模予測は約1220億円となっている
- 矢野経済研究所によると、リラクゼーションの市場規模は2014年から毎年上昇している
- 美容センサスからわかることは、利用率と利用金額、商品の購入率と購入金額、予約方法、利用目的の4つである
2021年からさかのぼり、リラクゼーションの市場規模についてと、実態調査の内容について解説してきました。
ここ数年は、働き方や家での過ごし方に変化があった方もいたと思います。
リラクゼーション業界も、影響を受けたり対応したりと変化のある数年だったのではないでしょうか。