webライティングを始める上で、著作権のことは必ず知っておいた方がよい知識です。
著作権とは、著作物を創作した人とその著作物を守るための権利のことです。
法律のこととなると難しくて遠い世界だと思いがちですが、webライティングにも著作権を意識しなければいけない場面がありますよ。
例えば、サイトで使用する画像の選定や、文章の引用、ポートフォリオの使用についてなどです。
個人が著作権侵害をした場合、10年以下の懲役または、1千万円以下の罰金が科せられます。
しかし著作権のことを学び、著作権侵害にならないよう注意していけばいいだけなので過度に不安になる必要はありません。
この記事ではwebライティング初心者のあなたへ、基本的な著作権についてとライティングをする上での注意点などをお伝えしていきます。
webライティングと著作権との関係は?基礎知識を学ぼう
著作権とは、著作物を守る権利のことを言います。著作物を創作した人がその権利を持っています。
著作物とはwebライティングで言うと、文章や画像などが身近ですね。
文化庁の著作権テキストでは、著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と記載があります。
著作者は、上記の著作物を創作する人のことを言いますよ。webライティングで言うと、ライターのことです。
著作物に対する詳しい説明を、文化庁は以下のように説明しています。
(a)「思想又は感情」を
「東京タワーの高さ:333メートル」といった「単なるデータ」など(人の思想や感情
を伴わないもの)が著作物から除かれます。
(b)「創作的」に
他人の作品の「模倣品」など(創作が加わっていないもの)が著作物から除かれます。
また、「ありふれたもの」(誰が表現しても同じようなものになるもの)も創作性がある
とはいえません。
(c)「表現したもの」であって
「アイデア」など(表現されていないもの)が著作物から除かれます(ただし、アイ
デアを解説した「文章」は表現されているため著作物になり得ます)。
(d)「文芸、学術、美術又は音楽の範囲」に属するもの
「工業製品」などが著作物から除かれます。
著作物は大きく9種類に分かれています。
- 言語の著作物:講演、論文、レポート、作文、小説、脚本、詩歌、俳句など
-
音楽の著作物:楽曲、楽曲を伴う歌詞など
-
舞踊、無言劇の著作物:日本舞踊、バレエ、ダンス、舞踏、パントマイムの振り付け
-
美術の著作物:絵画、版画、彫刻、マンガ、書、舞台装置、茶碗、壺、刀剣等の美術工芸品
-
建築の著作物:芸術的な建築物
-
地図、図形の著作物:地図、学術的な図面、図表、設計図、立体模型、地球儀など
-
映画の著作物:劇場用映画、アニメ、ビデオ、ゲームソフトの映像部分などの録画されている動く影像
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写真の著作物:肖像写真、風景写真、記録写真など
-
プログラムの著作物:コンピュータ・プログラム
大きく9種類に分かれていますが、世の中にはそれ以上にたくさんの著作物で溢れていることがわかりますね。
著作者の権利は、他人が「無断で使用すること」を止められる権利です。そして、大きく「著作者人格権」と「著作権」の2種類があります。
この2種類について、文化庁では以下のように記載されていました。
著作者人格権:著作者の精神的利益を守るための権利。著作者本人が持つ権利で譲渡はできない
著作権(財産権):著作者の財産的利益を守るための権利。土地の所有権などと同じで、譲渡や相続が可能
著作者人格権と著作権の違いをおわかりいただけましたか?
著作権について詳しく知りたいあなたは、文化庁の著作権テキストをチェックしてみてくださいね。
著作権の基本は分かったけれど、webライティングで何を気をつければいいのだろうと不安になりますよね。
次項では、webライティングをする上での注意点を3つお伝えします。
webライティングで著作権を守るために注意すること3つ
webライティングをする上で、著作権を守るために注意するべきポイント3つをまとめました。
- 引用
- 画像
- ポートフォリオ
引用、画像、ポートフォリオについて、順番に解説していきますね。
引用する場合のルールとは?参考と転載の違いも解説
引用とは自分の記事で、他の人の文章や画像をそのまま使うことを言います。
コピー&ペーストだと著作権侵害にあたりますが、引用を正しく使えば著作権侵害にならないのでうまく使いこなしましょう。
引用する場合は以下のように引用タグを使い、引用元を記載する必要がありますよ。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
引用 文化庁
噛み砕いて説明すると、引用は自分の記事の補足をするためのものであり、量や質において自分の記事が主体であることが条件です。
自分の記事の文章が「主」、引用した部分が「従」の関係になるようにします。
記事の大半が引用部分、ということにならないようオリジナリティ溢れる記事にすることが大切ですね。
また、引用元のURLやwebサイト名などもしっかり記載するのがルールとなっています。
ちなみに引用と似た「参考」と「転載」の違いについても知っておきましょう。
参考は、文章をそのままコピペして使用するのではなく、その文章を手がかりにして自分の言葉に要約することを言います。
転載は、すでにwebサイト上に公開されている文章をそのまま掲載することです。
転載したい場合は掲載元に許可を得ることが必要ですが、国や地方公共団体が作成した資料は許可を取らなくても掲載しても良いことになっています。
ちなみに、webライティングに欠かせないチェックにコピペチェックというものがあるのを知っていますか?
コピペチェックとは、あなたが書いた文章が他のサイトと重複していないか調べることです。
無料で使えるコピペチェックツールがあるので、そちらを利用して必ずコピペチェックをするようにしましょう。
画像などを使用する場合はフリー素材サイトを活用する
写真や画像を使用する場合は、著作権フリーのものを使用するようにしましょう。
2023年1月現在は「写真AC」や「ぱくたそ」などがフリー素材サイトとして有名ですよね。
但し、上記のフリー素材サイトでも著作権侵害になる場合もあるので、利用規約をチェックしておくと安心です。
キャラクターやロゴなどがついた画像は避けた方がいいでしょう。
自分で撮影したものを載せたい場合は、人の顔や著作物が映らないように注意が必要です。
2023年1月現在は、スクリーンショットも著作権侵害の可能性があるため、記事では使用しないようにしてくださいね。
ポートフォリオの活用は慎重に!クライアントに要確認
ポートフォリオとは、自分の作品を集めたものです。案件に応募する際に「私はこのような仕事をしていましたよ。」と実績をアピールするために使用します。
実はこのポートフォリオも、著作権侵害になる可能性がありますよ。
企業やクライアントから仕事を受けて記事作成する場合は、納品完了の時点で、著作権も相手側のものになることが多いようです。
契約によっても変わってくるので、契約時に著作権がライターかクライアントかどちらに発生するのか確認した方が良いですね。
あなたも契約時にしっかり確認しておきましょうね。
webライティングでの著作権侵害の罰則と実例2つを解説
続いては、著作権侵害のリスクについてお話しますね。
「著作権を侵害したなんてバレないし、平気平気!」と軽い考えでいると、さまざまなリスクを背負うことになるので注意しましょう。
文化庁の著作権テキストに記載されている、著作権侵害の場合の罰則は以下の通りです。
個人の場合:10年以下の懲役または1千万以下の罰金
法人の場合:3億円以下の罰金
個人にも刑罰が科せられるので、著作権を侵害しないようにしっかりと著作権についてしっかり理解する必要がありますね。
webライティングをする上で、記事やブログを執筆する際、他の人の文章をコピペして自分の記事に載せることはご法度です。
クラウドワークスのライティング案件でも、コピペNGと大きく記載されています。
また、画像や写真、イラストの使用も注意が必要ですよ。
著作権を侵害した場合、一緒に仕事をするクライアントの信頼を失うだけでなく、サイトを運営できなくなったり損害賠償を求められたりする可能性もあります。
前項でお伝えした3つの注意事項についても、しっかり確認してくださいね。
ちなみに、ライティングに関係する著作権侵害のニュースを調べてみましたよ。
1つ目は、平成18年の11月頃に、著作権を有するゲームソフトなどを複製して自身が運営するサイトで販売し、著作権法違反の疑いで40代男性が逮捕されたニュースについてです。
男性には懲役3年(執行猶予4年)と罰金180万円の処分が下された、とありました。
2つ目は平成19年5月頃に、文章の無断アップロードでアフィリエイト収入を得ていた男性が、著作権法違反で逮捕されたニュースについてです。
本項では著作権を侵害した場合の、罰則やリスクについてお話しました。
「このくらいは大丈夫だろう。」「バレないからいいや。」という考えは通用しません。
著作権については細心の注意を払い、あなた自身と著作物を守る行動をしましょう!
前項でお話したコピペチェックツールを利用したり、画像の選定に注意して、webライティングの活動をしていきましょうね。
まとめ
- 著作権とは、著作物を創作した人と著作物を守るための権利で、ライティングでいうとライターが作成した記事の文章や画像を守る権利のことを言う
- ライターや記事の文章を守る著作権の法律を著作権法という
- 著作物は言語、音楽、舞踊、美術、建築、地図、映画、写真、プログラムの9種類に分けられている
- webライティングをする上で、著作権について意識しなければならないことは、画像、文章の引用、ポートフォリオの使用についてなどがある
- 文章の引用は、自分の文章の補足的役割で使用し、引用元をきちんと記載することがルールである
- webライティングでは、「こぴらん」や「sujiko.com」などの専用ツールを使用して、必ずコピペチェックをすること
- サイトで使用する画像は、著作権フリーのサイトものを使い、利用規約をきちんと確認することが大切
- ポートフォリオの使用は、必ずクライアントに許可を得ること
- 著作権侵害をした場合、個人では10年以下の懲役または、1千万円以下の罰金となり、法人では3億円以下の罰金となる
webライティングとして活動していく際の、著作権の基本知識をお伝えしました。
著作権について身近に感じられたでしょうか。2023年現在、誰もが著作物の創作者になり得る時代になっています。
人の著作権を侵害しないために、また自分自身を守るためにも著作権の知識を身につけて意識できるライターになってほしいと思います。
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